
コラム
血便が一回だけでも病院に行く必要はある?受診の判断基準と隠れたリスクを解説
排便時に血が混じっているのを目撃したり、トイレットペーパーに赤くにじんでいたりすると、たとえ一回きりであっても強い不安を覚えるものです。
しかし、「一回だけだし、今はもう止まっているから様子を見てもいいだろう」と、受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。
今回は一回きりの血便であっても決して見逃してはいけない理由と、医療機関を受診すべき具体的な判断基準について解説いたします。
血便が一回だけでも病院に行く必要はある?

たとえ一回きりで出血が止まったとしても、一度は必ず医療機関を受診する必要があります。
「たまたまお尻が切れただけだろう」「本当に悪い病気なら毎回出血するはずだ」と判断してしまうことには、大きなリスクが伴います。実は、大腸がんや大腸ポリープといった早期に発見すべき重大な疾患の初期症状こそ、「一回だけ出血し、その後はしばらく症状が消える」という特徴があるためです。
硬い便が通過する際に腫瘍の表面がこすれて一時的に出血し、翌日以降は便が柔らかくなったために擦れず、出血がピタッと止まってしまう。これが「一回だけの血便」の背景にある仕組みです。出血が止まったからといって、原因となった病気が治ったわけではありません。
一回きりの血便でも「すぐに病院に行くべき」危険なサイン
一回だけの血便であっても、以下のような症状が伴う場合は、速やかに(夜間や休日であっても救急外来などを視野に)医療機関を受診する必要があります。
・便器が真っ赤になるほどの大量の出血がある
・激しい腹痛や、冷や汗を伴うようなおなかの痛みがある
・何度も血便を繰り返し、下痢が止まらない
・めまい、ふらつき、動悸がして、顔色が青ざめている
これらは、腸管内で急激な大量出血が起きているサインや、急性大腸炎による脱水・貧血が進行している危険な状態です。一刻を争う可能性があるため、直ちに医療機関へ連絡してください。
一方で、「出血はトイレットペーパーに少し付着する程度ですでに止まっており、おなかの痛みも一切ない」という場合は、夜間に慌てて救急外来へ駆け込む必要はありません。ただし、数日以内の診療時間内に必ず消化器内科を受診し、計画的に検査を受けることが推奨されます。
血便で考えられる主な病気

痔(いぼ痔・切れ痔)
血便の原因として最も頻度が高いのが「痔」です。排便時に鋭い痛みを伴い、紙に鮮やかな赤い血が付着する場合は「切れ痔(裂肛)」、痛みは少ないものの、排便後にポタポタと便器に出血が落ちるような場合は「いぼ痔(内痔核)」の可能性が高くなります。ただし、「どうせ痔だろう」と放置しているケースの中に、大腸の病気が隠れていることが少なくありません。
大腸がん・大腸ポリープ
大腸がんは、初期の段階では痛みが全くありません。そのため、「痛くないけれど、一回だけ血がついた」というケースこそ、最も警戒が必要です。良性のポリープががん化する前、あるいは早期がんのうちに内視鏡で発見できれば、おなかを切らずに内視鏡治療で完治を目指すことができます。「痛みのない一回の出血」こそ、見逃してはいけない大腸からの警告です。
虚血性大腸炎・感染性腸炎
「虚血性(きょけつせい)大腸炎」は、大腸への血流が一過性に悪くなることで粘膜が傷つき、突然の激しい腹痛のあとに下血(血便)が起こる病気です。また、細菌感染などが原因となる「感染性腸炎」でも、強い腹痛・下痢とともに粘血便が出ることがあります。これらはおなかの痛みを強く伴うのが特徴です。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍ができる、国の指定難病(炎症性腸疾患)です。20代〜30代の比較的若い世代に多く発症し、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返します。一回だけの血便から始まり、徐々に粘り気のある血便や下痢、微熱が続くようになるため、早めに医療機関を受診してください。
血便が出た際に当院で行う検査
問診
出血した時の状況、便の硬さ、おなかの痛みの有無、過去の健康診断(便潜血検査)の結果、現在服用しているお薬などを確認いたします。ここで、肛門からの出血の可能性が高いか、大腸からの出血の可能性が高いかの見極めを行い、最適な検査計画を一緒に立てていきます。
大腸カメラ検査
大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎など、腸の病気が疑われる場合に最も確実な検査が「大腸カメラ(大腸内視鏡検査)」です。「痛そうで怖い」「以前受けて辛かった」というお声をよく耳にしますが、当院では患者さんが苦痛を感じないための工夫を徹底しています。ウトウトと眠っているような状態で楽に検査を受けられる「鎮静剤」を使用するほか、検査後のおなかの張りを大幅に軽減する「炭酸ガス(CO2)送気」システムを導入しています。また、当院には経験豊富な「内視鏡医」が在籍しており、腸を優しく引き伸ばさずに挿入する高度な技術を用いて、痛みを抑えた安全な検査を行います。
熊本市で血便が出てお困りの方は「たむらふみお おなかと内科のクリニック」まで

血便を経験した時、誰にも相談できずに一人で「大腸がんだったらどうしよう」と不安を抱え込んでしまう方はとても多いです。しかし、不安だからと受診を先延ばしにしている時間こそが、最大の健康リスクになってしまいます。
当院では、地域のかかりつけ医として、おなかのトラブルに悩む患者さんがリラックスして受診できる環境作りに努めています。広々とした駐車スペースを完備し、プライバシーにも配慮した快適な院内空間でお迎えいたします。平日の診療はもちろん、土曜日も夕方18時まで診療を行っておりますので、お仕事や育児で平日はお時間が取れない方でも無理なくご来院いただけます。
熊本市で血便が出てお困りの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。診察のご予約は、24時間対応のWEB予約またはお電話にて承っております。









